2012年 05月 26日
「空白の五マイル」 角幡唯介著 集英社 もう1年半ほど前に発行されていたもので、話題にもなっていたしもちろん知ってはいたけれど。。。 現代に残された地理的な空白部に対する意味付けを拒絶し、同年代の探検部出身者の成功(?)に対する嫉妬心も無きにしも非ず、といった拗ねた理由をつけて今まで手に取ろうとしなかった。 が、少し時間がたってそのような感情もどこかに忘れてきたようで、久々に味わう探検のロマンや史実、生々しさに夢中になって読みきった。 著者自身の探検記の部分と、過去のツァンポー渓谷探検にまつわる歴史の部分が、同じような熱量で書かれていることが自分の好み。 何気なく書いているけれど、壁や藪を突破する技術的な困難さや、空腹や寒さ、痛さ・痒さを常時感じながらの行動、先行き不安な交渉事など、ひとつひとつの問題も相当な深度を持っているはず。 ただそこにはさらりと触れるにとどめ、ツァンポーに込めた想いの大きさが伝わる内容にまとめたところに、独自のバランスを感じた。 もっとページ数があっても良かったように思うけれど、読み物としては適量なのかな。 昔自分達が行った中央アジアの河の活動の続きに、「ヤルツァンポー」という巨大な山が現れたこともあったけれど、大きすぎる距離的・政治的・技術的な壁をちらと感じただけで、一瞬で白旗を揚げたことを思い出し、「ちっちゃいなー、じぶん」と改めて思う。それが現実。 諦めを正当化しつづけてきた中で、自分は今何を手にしているのかな? #
by something_great
| 2012-05-26 19:13
| 読書
2012年 05月 12日
じっと家に閉じこもっていても、痺れが治まるわけじゃ無し、痛みが無くなるわけじゃ無し。 さすがにボルダリングは首への負担やら衝撃の可能性やらを考えると、「今は止めとこ」って思うけれど、「山歩き」ならいいでしょ!っていう自己判断の元に鈴鹿北部へ行っちゃうことにした。 外で遊べないのが1ヶ月以上にもなると、心の面でちょっと病的になってしまうしね。 コグルミ谷出合~タテ谷~鈴北岳~御池岳~コグルミ谷経由出合のコースタイムは約3時間。 標高差は多少あるものの、歩きながら何か不具合を感じても対処できそうなタイム設定。 が、後に色々な意味で見通しの甘さに気づくことになった。 タテ谷コースは踏み跡が不明瞭な箇所が多く、かなり頭と目を使うコースで意外に疲労を感じた。 コース自体は変化もあって良いコースに思うのだけれど、そもそもの勝手な見通しとのギャップが大きかったことが要因。 そして今日は寒かった。 防寒着は当然持っているから心配は無いのだけれど、これも「そもそも」とのギャップが。。。 御池岳からの下山路の急勾配も「そもそも」と。。。 いやはや、まったくもって反省しきりだね。 心構えがなっちょらんかった。 山そのものは良い雰囲気で楽しめたから良しとするか~。 苔好き。 寒いから?ニリンソウも開ききらず。 #
by something_great
| 2012-05-12 19:00
| 山歩き
2012年 05月 12日
やーまが貸してくれた「超火山[槍・穂高]」 原山智+山本明 共著 山と渓谷社 を読了。 カルデラっていう地形って確か有名どころでは阿蘇山みたいな、陥没地形のイメージ。 ところが、鋭角に聳える槍が岳や穂高連峰も(超巨大)カルデラなんだよ。 って言われてもまったくピンと来ないけれど、地質を調べていくと、そんなことがどんどん判ってくるものらしい。 いやはや、全くキョーミ持てていなかったけれど、当たり前のように今ある地形がどうやって形成されたかを知るのも、結構キョーミ深いものだったとはね。 また山を見る目が変わったような気がする。 なにより、難解だという心理的な壁をまず取り去るべく表現している書き方が素晴らしい。 専門用語は斜め読みしたってざっくりと理解はできるし、興味を持たせてくれるというのが重要なこと。 目から鱗的な新鮮な驚きを与えてくれたことに感謝。 #
by something_great
| 2012-05-12 18:22
| 読書
2012年 05月 12日
MRIを撮ってから最初の診断。 病院はホントに時間がかかる。。。 先生の最初の一言 「ボードはやめた方がいいね~・・・」 ん?マジっすか?? なんでも頚椎の3箇所がヘルニアになっているらしい。 3箇所の椎間板が飛び出たりしてるものだから、それが神経に触って痺れたり痛みが出ているそうな。 それで、スノーボードは。。。 話を聞くに、「今」はやめて欲しいということと理解。 手術が必要なほど重症では無いので、当面はクスリで様子を見ましょうと。 3箇所ってのは気になるけれど、重症でないっていうのはちょっと安心した~。 痛みが全く引かないものだから「意味無いわ」って勝手に痛み止めのクスリ飲むのやめちゃったりしてたけど、これからは言うこと聞きます。 ちゃんと3食食後に3錠飲みます。 だからスノーボードできるように回復してくれ~っ!! 首を反るような体勢は神経に触れやすくなるとのことなので、考えられるところでは「サーフィン」「ボルダリング」は当面アウトだな。。。 これからの季節最大の楽しみである「縦走」は様子を見てみよう。 そして来シーズンの「スノーボード」は様子を見ながらも楽しむつもりで。 毎日使っていた「自転車通勤」が体勢の問題でしばらくアウトなのは結構痛い(身も財布も)。 #
by something_great
| 2012-05-12 18:09
| 日記
2012年 05月 04日
「北アルプス開拓誌」 中村周一郎 郷土出版社 先日訪れた大町山岳博物館で「出会ってしまった」ため衝動買い。 読み進めるうちに、昨年読んだ「黒部の山賊」と合わせて読むのが楽しいことに気づく。 大まかな時代が重なる部分も多く、より理解が進み、関心が深まっていくのだ。 「黒部の山賊」は小屋主と猟師を軸に、黒部周辺エリアの開拓の歴史が語られている。 一方「北アルプス開拓誌」は大町や松本の志ある人物を軸に、北アルプス開拓やガイドの歴史が語られる(後半は猟師も登場)。 一般的にもよく知られた山岳エリアの開拓史を知ることは、また改めて山に向かう動機となる。 今までは自分の中に持っていなかった関心の対象だけれど、歴史は面白い。 たとえ同じルートを歩いたとしても、感じる空気感や思考の深みはまったく違ったものになるはず。 「ぶれず」に「とことん」やりきる強さ。 やっぱり事を成す人は共通する芯を持っているのだろうか。 北アルプスの歴史を知るダイジェスト版とも言える本書。 扉を開いてしまったら、次の扉も開かずにはいられない。 まずはウェストンと播隆上人の2人が待っている。 #
by something_great
| 2012-05-04 21:53
| 読書
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